用語解説
四諦・八正道(したい・はちしょうどう)
紀元前500年、明けの明星が瞬くころ、お釈迦さまは偉大な悟りを得ました。
お釈迦さまの菩提樹下での悟りは、「四諦・八正道(したい・はちしょうどう)」であると言われています。
四諦(したい)とは、苦・集・滅・道(く・じゅう・めつ・どう)の四つの真理です。
【1】苦(く)
人生は、様々な苦しみで、満ち満ちています。
お釈迦さまは、この苦しみを大きく八つに分類しました。
これを四苦八苦といいます。
四苦とは、生・老・病・死(しょう・ろう・びょう・し)の四つの苦しみです。
●生(しょう):
自由自在な極楽浄土から人生修行のために、わざわざ不自由なこの世に生まれて来る苦しみ
●老(ろう):老いて行く苦しみ
●病(びょう):病んで行く苦しみ
●死(し):死に行く苦しみ
八苦とは、これに、
●怨憎会苦(おんぞうえく):嫌いな人と会う苦しみ
●愛別離苦(あいべつりく):愛する人と別れる悲しみ
●求不得苦(ぐふとくく):求めても得られない苦しみ
●五陰盛苦(ごおんじょうく):五感煩悩が燃え盛る苦しみ
の四つの苦しみを加えたものを言います。
【2】集(じゅう)
「これらの苦しみから逃れるためにはどうすればよいのか…
まずは、苦しみの原因を見抜くことが大切である」
お釈迦さまは、こう考えました。
これを集(じゅう)と言います。
【3】滅(めつ)
「苦しみの原因が理解できたら、次にすることは、これを取り去ろうと努力することだ」
苦しみの原因を滅しようと努力すること…
お釈迦さまは、これを滅(めつ)としました。
【4】道(どう)
「苦しみの原因を滅するためには、どうしたらよいか」
お釈迦さまは、そのための八つの道を表わしました。
八正道(はちしょうどう)。
八つの正しい反省法(心のマネジメント法)です。
●正見(しょうけん)
物事の原因・結果、『縁起の理法』を見抜く眼力をつけること
●正思(しょうし)
冷静に自分の内面を見つめて、心の実相を掴むこと
特に、むさぼりの心と、怒りの心と、愚かな心に注意すること
●正語(しょうご)
言葉を調律すること
特に、以下の四つに気をつけること
1、嘘・偽りを言わないこと
2、他人の悪口を言わないこと
3、二枚舌を使わないこと
4、度の過ぎたお世辞を言わないこと
●正業(しょうごう)
身体の行為を慎み、日々正しき行ないに従事すること
●正命(しょうみょう)
心を正し、言葉を正し、行いを正した生活をすること
●正精進(しょうしょうじん)
毎日、悪の誘惑から去って、善を取っていくこと
怠け心を捨て去り、真理の学びを深めていき、仏説流布に励むこと
●正念(しょうねん)
仏道修行に専念すること
●正定(しょうじょう)
正見から正念までを振り返り、深い禅定に入ること
「毎日、この八正道を行ずることにより、人間は仏に近づいていくことができる」
これが、お釈迦さまの菩提樹下での最初の悟りであると言われています。